乗っている車によって駐車に必要なスペースは異なります。そのため、自身の乗っている車の幅と長さによってどのくらいスペースに余裕が持てるかを考えて駐車スペースを確保する必要があります。
これから自宅に駐車スペースを作ったりビルトインガレージを作ったりする方は事前に考慮する点があります。この記事で解説する駐車スペースの考え方や計算方法、注意点を参考にしてください。
駐車に必要なスペース
駐車に必要なスペースとして、乗っている車の幅と長さ分の広さはもちろん必要です。それに加えて余裕を持って駐車を行うために、ある程度余分なスペースが必要です。
スペースに余裕のない駐車場は、駐車が困難なだけでなく、車から乗り降りするスペースが確保できなかったり、バックドア(リアゲート)が開けられなかったりといった不都合を引き起こす可能性があります。
●駐車スペースで注意が必要なポイント
- 駐車が困難な場所でないか?
- 駐車時に干渉する置物や段差、壁が周辺にないか?
- 余裕をもって乗り降りできるか?
- バックドア、リアゲートが開閉できるか?
計算方法
続いて、駐車場に最低限必要な広さを求める計算方法を記します。駐車場は幅と奥行きで考えると、以下の二つが実際に必要なスペースとなります。
- 車の長さにバックドアの開閉分を加えたスペース
- 車幅に左右のドアの開閉分を加えたスペース
具体的にはお持ちの車の長さにプラス 1.6m程度、幅部分の両サイドに0.6m程度ずつ加えた数値が、駐車に必要な最低限の長さとなります。
例えば、トヨタ社の「ヤリス」※1のサイズは長さが3.95m、幅員が1.695mです。
そのため、長さは3.95m+1.6mの5.55m、幅員は1.695m+0.6mの2.295mが最低限必要となります。
下表は国土交通省が示した駐車場設計時に一車両に対して必要な駐車場の大きさです。
設計対象車両 |
長さ (m) |
幅員 (m) |
軽自動車 |
3.6 |
2.0 |
小型乗用車 |
5.0 |
2.3 |
普通乗用車 |
6.0 |
2.5 |
出典:国土交通省「駐車場設計・施工指針について」
※普通自動車 : ナンバープレートの分類番号が3からはじまる車
※小型自動車 : ナンバープレートの分類番号が5からはじまる車
※軽自動車 : ナンバープレートの色が黄色の車
駐車場の多くは、普通乗用車の幅員である 2.5m を基準にして作られています。参考に考えるとよいでしょう。
●2台駐車するときの考え方
駐車場に2台横並びで駐車する場合、どの程度の広さが必要なのかを考えます。駐車場の長さは横並びで駐車する分に関しては1台駐車するときと同じ長さがあれば十分であるとわかります。
問題は横並びで駐車するときの幅です。
2台同時に左右のドアを開閉しないと考えると、1台のときに必要だった両サイドの余裕幅がもう一箇所必要となります。
トヨタ社の「ヤリス」を例にすると、幅員が1.695mなので、以下のような計算方法になります。
車の幅員(1.695m) × 2 + 左右の余裕幅(0.6m) × 2 + 2台の間の余裕幅(0.6m)
合計すると、5.19m 必要になりそうだということがわかります。
計算に注意が必要な車両
上記の計算だと、余裕幅を0.6mとして計算していました。しかし、ドアの開き方やドア事態の幅が広い場合、その分の余裕幅を見直す必要があります。
たとえば、天井に向かってドアが開閉するガルウイングは、人が乗降するために0.8m程度の空間を必要とするものもあります。
あまり猶予のない空間を駐車場として使う場合は、実際に計測しておくなどの対策が必要です。なお、車種によっては ドアにセンサーがついており、ぶつかりそうになるとすぼめて開いたり、途中まで開けて止まったりする仕様もあります。この場合でも事前に乗り降り可能な開き具合と幅を確認しておけるとよいでしょう。
天井がある車庫の場合は?
車庫やビルトインガレージのように天井、壁がある場合でも必要な駐車スペース自体は変わらず、普通乗用車であれば長さ6.0m×幅員2.5mを参考基準に考えてよいでしょう。追加で考慮が必要なのは高さです。
高さには推奨値はありませんが、最低限必要なのは車の高さ+余裕分です。日本車の多くは車高が2.0m以下です。トヨタ車のミニバン、アルファードやヴェルファイアも高さ1.935mですので、床から天井までの高さが2.5m〜あると安心でしょう。
天井や床をカスタマイズすると用意できる高さが変わるかもしれません。実際に駐車に使うことができる寸法をしっかりと測定して、自分の車が駐車できるかを調べる必要があります。
車と駐車場の保護にはガレージタイルを活用
ガレージやカーポートの床の保護にはガレージタイルがおすすめです。車やバイクを保管するガレージは、オイル漏れやタイヤの摩擦などによる床面へのダメージが発生しやすくなっています。ガレージタイルを敷くことで、ガレージの床を傷や汚れから守ります。
当店で取り扱っているガレージタイルは加工の必要がなく、初心者でも簡単に設置、取り外しできます。ガレージを傷つけたくない、カラフルでおしゃれなガレージにしたい。そんな方にお勧めです。ぜひご検討ください。
※1参照:トヨタ ヤリス | 価格・グレード | スペック・装備比較 | トヨタ自動車WEBサイト